カシャッサ生産の重要な拠点であるサリーナス市(ミナスジェライス州)にあるセレッタの蒸留所(写真:Leoti/MT)

ブラジル連邦政府は4月4日、運輸省が3月31日(火)に実施した「ジェライス幹線道路網(Rotas Gerais)」のコンセッション(民間委託)により、ミナスジェライス州の物流環境が改善され、カシャッサ生産の強化につながるとの見通しを発表した。

発表によると、今回のコンセッションはブラジル連邦道路BR‑116号線およびBR‑251号線(いずれもミナスジェライス州区間)が対象で、総額131億6,000万レアルの投資が見込まれている。落札企業は道路環境の改善を担い、これにより地域産品の流通を円滑化するとともに、国内で最も消費される酒類の一つであるカシャッサの販路拡大が期待されるという。

“カシャッサの首都”として知られるミナスジェライス州サリーナス市は、気候、日照、土壌に恵まれ、サトウキビ栽培に適した条件を備えている。同市では高品質の蒸留酒が生産され、国内外で受賞・評価されてきた。

一方、同市の住民にとってカシャッサは経済的価値を超えた存在だと、大学生のマテウス・マドゥレイラさんは語る。彼にとってこの蒸留酒は、地域の結束とアイデンティティを象徴するものだという。同じく教育学部の学生アリーニ・リマさんも「お祝いごとにはカシャッサ。火曜のちょっとした外出にもカシャッサ。週の真ん中でもカシャッサ」と話し、日常生活に根付いた文化であることを強調した。

農牧供給省によると、ブラジルでは2024年に登録されたカシャッサ製造事業者が1,266施設に達し、前年から4%増加した。州別ではミナスジェライス州が全国首位で、全体の約39.6%に相当する501施設を擁している。

ミナスジェライス州のカシャッサ製造企業セレッタ社は、サンパウロ州を最大市場とし、南東部の他州に加え、バイーア州、ゴイアス州、連邦直轄区にも販路を広げている。ジウベルト・ルイス取締役は、2026年の事業規模が前年比で少なくとも5%成長するとの見通しを示し、「ジェライス幹線道路網の輸送能力拡大は、事業の成長と収穫量に対応するうえで不可欠」と述べた。

同社は年間平均200万リットルを生産し、その100%をブラジル連邦道路BR‑251号線経由で出荷している。道路環境の改善により、オンライン販売や小口配送の売上増加が期待されるという。同社の流通網は国内全域に及び、海外では米国、ポルトガル、日本、オーストラリアへの継続的な輸出に加え、ドイツ、スペイン、ニュージーランドへのスポット輸出も行っている。

道路インフラの不備による影響を日常的に受けているのは、貨物輸送を担うトラック運転手たちだ。運転手のチアゴ・アキーノ氏とカルロス・ホベルト氏は、BR‑116号線およびBR‑251号線(いずれもミナスジェライス州区間)を走行しており、車両の損耗や事故を避けるため常に注意を払っていると語る。

「タイヤのパンクやスプリング破損も経験しました。作業に支障が出て、移動が遅れ、時間のロスにつながります」とチアゴ氏。

「道路が悪いと新しい車両でも損耗が激しく、疲労も増え、安全性はほとんど確保されません。適切な休憩ポイントも不足しています」とカルロス氏も訴えた。

連邦政府によると、「ジェライス幹線道路網」コンセッション計画には、道路の複線化、追加車線、側道、バイパス、歩道橋、そして2カ所の休憩・停車ポイント(PPDs)の整備が含まれている。

(文/麻生雅人)