サンパウロ州政府が「カシャッサ街道」を発表。同州はカシャッサの生産・研究・消費の主要拠点の一つとして際立っている(写真/Paulo Li/Expressão Studio)

サンパウロ州政府は12月11日(木)、農業・食糧供給局本部において、「サンパウロ州カシャッサ街道」を発表した。この前例のない取り組みは、ブラジルの歴史と文化的アイデンティティを象徴するこの飲料の生産が持つ観光的ポテンシャルを際立たせるものとなっている。

65の自治体にまたがる8つのルートに加え、8つの体験型スポット、さらに8つのビジネス拠点を含むこの取り組みは、州全域におけるアグロビジネスと地域開発の促進も目的としている。同プロジェクトは州政府官房局が主導し、観光・旅行局、農業・食糧供給局、文化・クリエイティブ経済局、経済開発局、そしてインヴェスチSP(サンパウロ州の投資誘致機関)が協力する、省庁横断型の取り組みである。

「カシャッサ街道」は市場の拡大、新たな投資の促進、そしてサンパウロ州産カシャッサの国内外での存在感向上につながり、安全で高品質な製品の提供を保証するものとなる。この提案は、生産者、産業界、販売業者、消費者を結びつけ、サプライチェーン全体を新たなビジネス、雇用、そして業界強化によって活性化させる。

「カシャッサはブラジル文化を最も象徴する飲み物であり、国際市場もすでにこの伝統を受け入れています。サンパウロ州の蒸留所は歴史と品質を備えており、同州を蒸留酒の主要輸出地として押し上げてきました。『カシャッサ街道』によって、政府はこうした潜在力をさらに発展させ、観光客に歴史やガストロノミーを紹介し、地域経済を後押ししたいと考えています」と、フェリシオ・ハムス副知事は述べた。

カシャッサは、約500年の歴史を持つ、ブラジルでも最も象徴的な蒸留酒のひとつである。サンパウロ州は生産・研究・消費の主要拠点のひとつであり、ブラジルのカシャッサ輸出を牽引している。州からの輸出量は660万リットルで、国内総量の46%に相当する。

さらに、同州は2024年におけるサトウキビ蒸留酒製造の現役雇用の30.7%を占めており(労働・雇用省データ)、また、サトウキビ蒸留酒製造に関する全国経済活動分類(CNAE)の事業者登録コードの52.5%を占めている(2023年・ブラジル連邦税務庁データ)。

サンパウロ州内の「セーハス・パウリスタス」「モジアナ」「ノロエスチ」「クエスタ」「イタケリ」「チエテ」「セントロ・パウリスタ」「フルータス・イ・バンデイランチス」「シルクイット・ダス・アグアス」「アウタ・パウリスタ」の各ルートには、計65の蒸留酒生産者が集中している。プロジェクトには、さらに7つの体験型スポットと8つのビジネス拠点も含まれている。全リストは公式サイト(www.rotasdacachaca.sp.gov.br/rotas-cachaca)で確認できる。

2024年からサンパウロ州政府が展開している「ワイン街道」「コーヒー街道」「チーズ街道」と同様に、「カシャッサ街道」も農村観光、自然、歴史を組み合わせて価値づける体験を提供し、試飲や技術研修の機会も設けている。

サンパウロ州の蒸留所には、エンジェーニョ・サン・ルイス(1906年)、マンダグアイ(1858年)、ファゼンダ・ベネデッティ(1929年)、ジョタペー(1925年)、ザノーニといった伝統的な生産者が名を連ねるほか、サプカイア(1933年)、サンタ・カペラ、ヴィラッジョ・デ・シモーニ、ブリーザ・ダ・セーハ、そして、世界的に知られるブランドを製造するコンパニア・ミュラー・ジ・ベビーダスなど、産業基盤となる蒸留所も含まれている。

各ルートには、アグロビジネス研究局(Apta)に所属する研究・イノベーション機関の拠点もある。例えば、ピラシカーバ市およびバウルー市のApta地域拠点が調整する「カシャッサ・サプライチェーン研究グループ(GECCA)」や、サンパウロ州農業・食糧供給局に属し、サンパウロ州カシャッサ品質コンクールの方法論を担当する「農業経済研究所(IEA-Apta)」などが挙げられる。

街道の観光では、ガイド付きの見学や試飲、エコトレイル、ペアリングランチ、農村宿泊といった体験が提供される。人材育成の分野では、歴史観光や生産者家族との没入型体験をテーマにしたワークショップや講座の実施が予定されている。ヴァーリ・ド・ヒベイラやシルクイット・ダス・アグアスといった地域では、持続可能性、環境保全、ガストロノミーを組み合わせた自然と一体化したルートが展開されている。

「サンパウロ州は『ワイン街道』の立ち上げ以来、生産チェーンの価値向上に取り組んできました。『コーヒー街道』『チーズ街道』を発表し、そして今回『カシャッサ街道』を加えることで、私たちの農村観光を高める取り組みが一層充実しました」と、観光・旅行局のホベルト・ジ・ルセナ局長は述べた。

「サンパウロ州の『カシャッサ街道』は、単なる観光ルート以上の意味を持っています。これはカシャッサの生産チェーンを価値づける上での画期的な取り組みです。伝統、科学、持続可能性を結びつけることで、プロジェクトは大小の生産者を強化し、制度面の整備を後押しし、新たな市場、さらには国際市場への扉を開きます。カシャッサを文化的アイデンティティの象徴、そして経済発展の原動力へと変える取り組みであり、サンパウロ州を卓越した蒸留酒生産の国内外の基準として確立するものです」と、サンパウロ州農業・食糧供給局のギリェルミ・ピアイ局長は述べた。

また、「サンパウロ州カシャッサ街道」発表イベントでは、カシャッサ生産者の衛生・規制面での要件整備を財政的に支援することを目的とした、サンパウロ州アグロビジネス振興基金(FEAP)による新たな信用枠「アランビッキ・レガウ(蒸留所・法規格適合支援制度)」も発表された。

「アランビッキ・レガウ(蒸留所・法規格適合支援制度)」信用枠は、2025年12月に創設された、手工芸品セクター向けに総額300万レアルが設定されている「アルテザナウ+レガウ(手工芸品・法規格適合支援制度)」信用枠に連動している。目的は、登録、認証、生産体制の整備にかかる費用を賄い、生産者が法的要件を完全に満たせるようにすることにある。

この信用枠の創設は、「カシャッサ街道」の導入過程で明らかになった課題に応えるものだ。登録した生産者の一部が、正規化が済んでいないことを理由に参加できなかったためである。「アランビッキ・レガウ」によって、こうした生産者は法的手続きを完了するために必要な資金へアクセスできるようになり、生産参加の裾野が広がり、地域のサプライチェーンが強化され、正式な商取引への移行、街道への統合、さらにはサンパウロ州におけるカシャッサ生産の価値向上を目的とした他の公共政策への参加が可能となる。

「サンパウロ州カシャッサ街道」発表イベントでは、州内の優れたカシャッサを5つの部門で選出する「2025年 第2回サンパウロ州カシャッサ品質コンクール」のトロフィーと認定証の授与も行われた。

農業・食糧供給局(SAA)は、州内の優れた銘柄を「ホワイト」「貯蔵」「オーク樽熟成」「ブラジル産木材熟成」「ブレンド」の各部門で表彰した。2回目となるこの品質コンクールには、州全域から130点のサンプルが寄せられ、エントリー数は前回より60%増となった。

今年のコンクールは、同分野における規制上の転換点ともなった。イベントでは、フェリシオ・ハームス副知事が2025年の法律第18.154号を施行する政令に署名し、植物由来製品の追跡性、監査、安全性に関する基準を近代化・強化する「州植物検査システム」を整備した。この前進により、カシャッサはサンパウロ州の農畜産防疫チームによる監視を受けることになり、より厳格な技術基準、化学的品質、衛生面での適合性、生産者と消費者双方の安全が確保される。

(記事提供/Agência SP、構成/麻生雅人)