カシャッサ(ポルトガル語でCachaça、カシャーサともいう)は、ラム酒と同様にサトウキビを原料として作られる、ブラジル原産の蒸留酒です。“ピンガ”、“ブランキーニャ”などの愛称で呼ばれることもあります。

ラム酒との大きな違いのひとつは製造方法です。
ラムの多くは糖蜜を原料に使います。
カシャッサは、サトウキビの搾り汁(ジュース)を発酵させた醸造アルコールを蒸留して作られます。

見本市会場などで、「ということはアグリコールラムと同じですね」と問われることがあります。

確かにラムの中には、カシャッサ同様、サトウキビの搾り汁を発酵・蒸留させて作るアグリコールラムと呼ばれるものがありますが、アグリコールラムの登場は19世紀以降と考えられています。

しかしカシャッサは、1516 年から 1532 年の間にブラジルの海岸沿いにある製糖工場で 誕生したと考えられていますので、そもそもラム酒よりも先に誕生したお酒ということになります。

そしてなにより、カシャッサは「ブラジルで生産された、サトウキビ由来の蒸留酒」という定義があります(カシャッサとは)。ブラジルで製造されたサトウキビ由来の蒸留酒以外は「カシャッサ」と呼ぶことはできません。

また、単式蒸留器で作られるカシャッサは、材料も作り方も同じでありながら、蒸留所、製造される地方の気候や気温の、文化の違い、製造の手順、手法の違いなどによって、味も香りも異なってきます。

そんなカシャッサの最も代表的とも言える飲み方は『カイピリーニャ』というカクテルです。
カシャッサをベースに、ライム、砂糖で作ります。

下記は一例です。

カイピリーニャのほかにも、1950年代に誕生したハーボ・ジ・ガーロやバチーダなど有名なカクテルもあります。

また、カシャッサの中でも、中小規模の蒸留所が単式蒸留器(多くは銅製)で作る手作りのクラフト・カシャッサ(カシャッサ・アルテザナウ)は、ストレートでも親しまれています。

近年はクラフト・カシャッサを使った新しいカクテルがどんどん創造されているほか、料理とのペアリングも進化しています。

これがカイピリーニャのトラディショナル・スタイル・レシピだ!
カイピリーニャは、もともとは「薬」だった!?
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ブラジルの国民酒「カシャッサ」とは何か<3>